ネオ21ブログ

加水分解?

皆さん靴箱に長年しまいっぱなしのスニーカーはありませんか?

もしあるようなら、注意が必要してください。

ある時思い出して履こうとしたところ、手で持った瞬間にソールがグシャっと崩れてしまったことや、ソールがべとべとしていまって泣く泣くその靴は処分した経験をした方はいませんか?

その原因は、「加水分解」が原因です。

今回はこの劣化によるスニーカーの加水分解という現象について、解説しようと思います。


スニーカーの加水分解はなぜ起こる?

ポリウレタン素材は私たちの日常製品に広く使われていますが、今回は靴底に絞ってお話します。

ポリウレタンスポンジ素材のソールの中で、発砲ポリウレタンソールが使われている靴があります。発砲ポリウレタンソールは安価で成形しやすく、クッション性が高くて摩耗に強いという特徴があります。軽さではEVAスポンジの方が上回りますが、ゴムより軽いので軽快なフットワークが可能です。

このポリウレタンスポンジ素材のソールですが、欠点は水分による劣化(加水分解)を起こすことです。

加水分解とは化学的反応のことで、ポリウレタンが水分に反応し分解生成物が得られる反応のことを指します。

身近では、しばらく使わなかった輪ゴムを使おうとしたら、ベトベトで切れてしまう状態と同じです。

空中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分で加水分解していきますので、製品が出来た瞬間から、見えないながらも劣化が始まると思ってください。



スニーカーの加水分解を予防!

加水分解を予防するために、基本は履くことが1番です。

そして、きれいな状態を保つことです。

靴箱に長くしまいっぱなしにしておくことが1番よくありません。

履くことで底材の中に吸収された水分が押し出されるので定期的に履くことが大切です。
また、汚れた靴のまま保管せずクリーニングをしてから保管しましょう。

また、ソールの汚れや雨の時に履いた後の手入れをすることでも、寿命を延ばすことにつながります。

雨の日に履いた靴は汚れを吹きとり、水分をしっかりふき取ってあげてください。

靴を守る方法は?

保管する場合ですが、靴箱に入れている場合は靴内に木製のシューキーパーを入れ、底材周辺にシリカゲルなどの乾燥材や湿気取りを置くことをおすすめいたします。

保管においては湿気を抑えることが重要です。

長くしまう際は少し手間ですが、旅行用に衣類などをしまうジップ付きのビニールに入れておくのがおすすめ。

靴の底材付近にシリカゲルを入れて空気を抜いてからしまうと、空気の影響や水分から守られて劣化を抑えながら保存できます。

次回は、「スニーカーが臭う原因とメカニズム」のお話をします。